むかしの景観
今、「あらなみ」を読んでいます。
「あらなみ」とは、島前に住む小中学生が書いた作文や感想文、詩などをまとめた文集のこと。昭和24年(1949年)に初号が発刊され、これまでに66号まで出ています。
当時、製本するのは高価で数に限りがあったそうで、海士町ゆかりの方が、より多くの人に読んでもらいたいと、第1号からデータ起こしをして、今年の夏ごろに図書館の蔵書検索用のパソコンに入れてくださいました。とはいえ、なかなか閲覧が進まず、産業文化祭でいくらか作品を展示できないだろうかと思いつき、初号から読み始めました。
教育委員会の資料室を探してみると、茶色く焼けた「あらなみ」の原本を発見。表紙のデザインや挿絵もレトロですてきです。初期のものは、中の文章が活版刷りになっていて、味があります。
文章を読んでみると、家族や友達のこと、勉強や学校の行事・帰り道のこと、自分を取り巻く自然、流行した物事などが、生き生きと表現されています。この年でこんなにしっかりとした文章を書くんだと驚かされたり、おもわず顔が綻んだり、くすっと笑わせてくれる文章もありました。
隠岐の昔の暮らしを知らない私でも、当時の様子がよく分かり、とてもおもしろく読んでいます。海士町では最近、景観条例が制定されましたが、海士らしい景観を考えるヒントにならないかとも思ったりしています。
現在、図書館に入ってすぐ、右手の窓際に「あらなみ展」と題して、作品を展示しています。
すべてを展示することはできないので、まずは1号・5号・10号・15号からそれぞれ5点前後作品を選んで、印刷したものを掲示しました。
また、数冊昔の「あらなみ」も閲覧用に置いています。
図書館にお立ち寄りの際はぜひ、「あらなみ」も読んでみてください!
(aiko)